2014年2月20日木曜日

ノースアメリカンT-6「テキサン」その1

みなさま、こんにちは。

 こちらは前回チラッとお見せしたとおり、T-6の寒干しも終わって(^^)、仮組に入っていきますね。


 T-6は弊社サイトにあるとおり、傑作練習機であることは飛行機ファンの皆様はご周知のとおりです。

 海上、航空自衛隊にも供与されたのですが、中古機を受領したことから十数年で退役を余儀なくされました。しかし、静岡県の浜松エアーパークや埼玉県の所沢航空発祥記念館には復元された機体が展示されているほか、静浜基地にはエンジン稼働状態の機体が現存しています。

 当時、パイロット学生としてT-6に向かい合った方のエッセイを読んだことがあるのですが、T-6は尾輪式による視界の悪さやグランドループ等、決してとっつきやすくはなかったということですが、ひとたび空に上がれば、その飛行性能はすばらしく、攻略し甲斐のある機体であったそうです。

 T-6は、供与が始まった昭和30年から約10年間にわたってパイロットたちを育てた後、飛行時間が少なく程度がよい24機が救難捜索機として残り、昭和44年まで現役にあったそうです。

 なお、退役した機体の一部は、映画「トラ!トラ!トラ!」において外観を旧海軍機のように改造され銀幕を飛び回りました。

 練習機としてのT-6は、国産初のジェット実用機である富士T-1に代替されたのですが、救難捜索機の後継としては三菱MU-2ではなくT-34が一時期、救難隊に配備されたようです。

 さて前置きはこのへんでキットについて見ていきましょう。
 
パーツは思ったより多くないです。
キットは、いつものキティホークと同じライトグレーで成型され、AからFまでの6枚のランナーと透明パーツ、シートベルトのエッチング及びデカール(大判2枚+小1枚)で構成されています。



 まず目につくのは、平べったい黒い箱でクリアーパーツが入っています。外国製キットはコンテナに詰め込まれ、遠路はるばる海を越えてやってくるので、破損防止の気遣いは助かりますね。

なんか豪華。
クリアーパーツをみると、大きく空白あいている部分がありますが、バージョン替えの予定があるのでしょうか。










 デカールは豪華版で、8機分が入っています。
国籍マークや機体番号のほか、機体のステンシル(注意書き)も機体ごとの違いを再現するため、複数が入っています。
 エッチングは、シートベルトのみと割り切っていますね。
チョー豪華!


さて、比較的小型の機体とはいえ、大スケールなのでちゃんと仮組をやっておきます。
細かいバリやゲートの出っ張りはあるものの、先回のSH-2に比べても合いは良くなっている印象を受けます。私の持っている個体は大パーツの歪みやソリもないようです。
機体とフィレットがピタリ。ホッとする瞬間(^-^)
機体上面のADF取り付け部分のパネルもきちんと合う。

  SH-2と同様、パーツの一部にヒケが見られます。特にプロペラは目立つのできちんと処理しておきましょう。
 
ロケット団じゃなかったロケット弾やガンポッドにもヒケが
さて、次回から組み立てに入っていきます。
今度は塗ろうかな。いや塗りたいな。欧州人のおじさんが濃いめレビューやっているので、なんか塗らずに組み立てるの申し訳ないという気になっています。
 
 で、こんなの使ってやろうかなと考えております。
ボトルはプラ製。顔料系でハッとする発色(ダジャレに非ず)

 なんせ、模型作るのもこのブログ書くのも全てダイニングテーブルの上(T.T)
 臭いは厳禁なのです。ライフカラーは、臭いがほとんど無い上に、エアブラシで使う分にも溶剤との割合等にシビアなところない点や、欧州製の塗料故の発色の良さが気に入っております。

 では、次回から塗装と組み立てやっていきます。
 実は32の飛行機作るのは、高校の時(30年程前)にやったレベルの雷電以来。
 キンチョーするなあ。

 



2014年2月11日火曜日

カマンSH-2F「シースプライト」その3

  数日放っていたら、足と羽が生えていました(^_^;
背景の塩コショウでダイニングってバレバレ
胴体までできちゃえば、あとは小物を組み立ててくっつけるだけです。

 しかし、私にとっては、このキットの「最難関」が待っていました。
 曳航式MAD(磁気探知機)にエッチングを漏斗型(!)に曲げてくっつけなくてはいけなかったのデス。
  
地味に痛い作業です。
7〜8年前に買った「マルチツール」というエッチング曲面加工ツールがあったので、その円錐型の部分を使ってゴム板の上で、小一時間グリグリやったところ、
 
何とか曲がってくれた。

 なんとか形になってくれました。終了後、右手親指にひよこサブレ型のマメができていました。いてー。

 このキットの説明書には、MADの他、増加燃料タンク(大・小)×各2、対潜魚雷×2を選んで取り付けるようになっています。
SH-2Fの得物一覧
 
 キットのキャビンには、対潜オペレーター席がオミットされているので「魚雷もなんだかなー」と思い、日本に展開している頃の写真から、比較的ポピュラーであったと思われる小さいほうの増加タンクをつけてみました。
 
ギャラクターの昆虫型メカっぽいな
魚雷を取り付ける際は、MADのパイロン(D5)が根元の部分で魚雷のパイロン(C44)と干渉するのでMADパイロンのほうを若干削って調整しました。
 また、MADパイロンの支持架(D30)は長めなので上部を0.8cmほど切りつめました。
この部品も含め、エンジンートランスミッション部(行程7 A-Aで示されています)は最後に胴体に接着した方が小物やドアの取り付けの際に邪魔になりません。
 
 ローター部は、簡単に組み上がります。テールローター基部の組み立てについて、説明書はテールローター軸受け部(F58)が表示されていません。F58は部品F59に接着します。
 テールランプ(GP20)の台となるF45の部品の向きに注意してください。テールブームに接着した際、テールランプが垂直になるように。
 
メインローターは、エンジンートランスミッション部の上の穴に差し込むだけですので、接着しないとふらふらしています。回転や取り外しをしたい方は、金属線で軸を仕込むとよいでしょう。また、ヘリコプターのキットにはありがちなのですが、ローターの「たわみ」は再現されていませんので、お湯などでローターに「たわみ」感をつけると実感が増します。
エッチングのワイパー着けるの忘れてました・・・σ(^◇^;)

 最後に不要部品と、書ききれなかった説明書の訂正についてまとめておきます。

 不要部品 
 C5,6,7,8,9,10,11,12,19,2025,26,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40
   D3,4,11,12,13,14,19,27,28
   E32,35,36,37,38,43,44
   F17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,38,52,53,61
   GP11,12,13
   PE14(4つのうち2つ),15(8つのうち4つ),11

 ○工程8:「GP12」は「GP19」の誤りです
 ○工程10:エンジン横のライト「A20」と「A21」はプラのライト部分を削り取って
       GP20,GP21と置き換えることが可能です。
 
 不要部品にマーベリックASMがあることから、出力・武装強化+近代化されたG型も発売されそうですね。
 
 塗装については、塗装指定では「ミッドナイトブルー」とあるのですが、当時は「エンジングレー」で塗装したものが多かったと思われます。しかしながら当時の写真を見ると、エンジングレーで塗られた機体の他、青っぽい色調のものも存在します。

 さて、次のお題は何にしましょうか。やっぱ、新発売のこれかなー。
 
離型剤の洗浄後、お風呂場乾燥される1/32 T-6(^^)

 


2014年2月6日木曜日

カマンSH-2F「シースプライト」その2

さて、コクピットを胴体に挟み込みます。

コクピットと胴体の勘合は良好です。胴体に脚取り付け部を忘れずに入れましょう。
この後、クリアパーツの取り付けがありますが、このキットのクリアパーツは全体的にサイズが大きめで、すりあわせが必要になります。
  コクピット前下部の窓(GP8、GP9)はクリアパーツの方を削って合わせました。コクピット天井部の窓(GP1)は胴体側の矩形のダボを切り落とすとすんなり落ち着きます。

 特にコクピット周辺の内側から接着する窓は目立つ部分でもあるので丁寧にすりあわせた方が良いでしょう。
 今回、私はクリアパーツの接着にはクレオスのMr.CEMENT(S)(さらさらタイプのプラ用接着剤)を使いました。少量使用すれば曇ることはありませんでしたし、しっかりとくっつけることができました。

 胴体を接着すると、テイルブーム後方の水平安定版を取り付けます。水平安定版には支柱を接着しますが、支柱の部品のゲートが太いのでカッターで数回なぞるようにして切り取りました。説明書の水平安定版の部品番号は逆になっていますので注意してください(右:F51→F50、左:F50→F51)

  次にトランスミッション部を組み立てます。
 この部分はたくさんメッシュ状のエッチングを貼り付けるようになっていますが、エッチングパーツのサイズもちょうど良く、切ってプラパーツに瞬接でくっつけるだけです。
 後方上面のエッチング(PE16,18,19)を接着する箇所(D6)にはプラでディティールがモールドされているので、接着前に削り落としてください。

  トランスミッション部は、特に問題なく組み上がりました。
   ノーズ部分はディティールが多い部分ながら、4つのパーツを組み合わせて作ることから、パーティングラインがめだつので 丁寧に組み立ててください。

ぬー。犬顔ですね。

 
胴体が組み上がりました。


2014年2月3日月曜日

カマンSH-2F「シースプライト」その1

 皆さん、初めまして。

 私、この度M.S Modelsにて飛行機モデル担当となったM.S.Flyerと申します。

 当blogを通じて、M.S Models取扱の飛行機関連商品に関する情報を発信していきたいと思っています。

 本blogのこけら落としは、キティホークの新製品のSH-2Fシースプライトです。

 昨年、Pandaモデルの航空機模型ブランドとして立ち上がったキティホークですが、F-94を皮切りに矢継ぎ早に新製品を連発してきました。同社のHPには、マクダネルF-101(A及びC型)や、グラマンF2Hの3Dモデル画像がアップされています。今年も精力的に新しいアイテムを発売していくようです。

  実機については、弊社HPの商品解説をご参照ください。
  
 さて、本キットはAS365ドーファンに続くキティホーク社2番目のヘリコプターのキットです。今回のSH-2も含めて、同社のラインナップはニッチというのか、キット化されていない機体や、過去に他社でキット化されていても時間を経ていたりといったようなアイテムを狙って製品化しているようです。

 パーツはグレーで整形され、左右に分割された機体とクリアーパーツを含め7つのランナー、デカール2枚とエッチングで構成されています。艦載ヘリコプターということもあって、これまでの同社製のキットの中では比較的コンパクトにまとめられています。




 デカールは3機分が付属しています。計器板はモールドされたパーツにデカールを貼る仕様です。シートベルトはエッチング製のものが用意されています。デカールはぬるま湯で取り扱うと、すぐに動かせるようになります。若干フィルムが薄いのと糊が弱いことがあるので、デカール用ピンセットやマークセッターを併用すると良いでしょう。


 最近のキットは、再現度の向上とともにランナーが多くなる傾向が顕著ですが、このキットも7枚のランナーからなっています。私は写真のように、ランナーにマスキングテープの目印をつけてやってます。かなり時間の節約になります。

 パーツの各所に押し出しピン跡やひけがありますので気になる方はパテなどで埋めてください。 特にコクピット床面のパーツ(D1)には押しだしピン跡が多数ありますが、パーツをつけてしまうと意外と目立ちません(埋めてしまってから気付いたのですが(^_^;)。
シート(C27)座面の塗装指定はつや消し黒になっていますが、この当時の米海軍機にはグレーに塗装されたシートにオレンジ色のクッションが敷かれていたりしますので、そのように塗ってもよいでしょう。個人的には60〜70年代っぽさの演出になるような気もします。
機体は全面に細めのスジ彫り及び凹リベットの表現がなされ繊細な印象です。
コクピットを胴体に仮組してみました。コクピット前方のバルクヘッドが若干きつめなので、すりあわせた方がよいでしょう。胴体左右の勘合は良好です。
  キティホークのキットがお手元にある方ならおわかりになると思うのですが、プラは柔らかく扱いやすいものの、国産キットに比べてゲートが太い場合が多く、切れ味の良いニッパーやカッターを用意しておくとよいです。作業のストレスを減らすことは、模型という趣味ではすごく大事なことですよね。

 次回で組み上がる予定です。