2015年1月25日日曜日

ロッキード・マーティン F-35C 「ライトニングⅡ」その2

ちょっと本業の方が多忙なため、更新が遅くなりました。

 さて、胴体を貼り合わせる前に、胴体下面に脚庫やウェポンベイを貼り付けていきます。

 右の通り、クリップで押さえてしっかり接着します。前脚、主脚ともになんの加工もなく後で接着が可能です。

 脚庫とウェポンベイを接着した後、エアインテークとエンジンを組み込みます。説明書にははっきりと書かれていないのですが、インテークリップを胴体に接着、その後エアインテークとインテークリップを接着した方がよいようです。エアインテークとインテークリップとの合いは悪くありません。インテーク前方の目立つところに押し出しピンのあとがあって目立ちますのでパテなどで処理してください。

DSIです。わかんないですね^.^;

実機のことを少し書かせていただくと、エアインテークの入り口すぐのところに「こぶ」がありますが、これはステルス機の特徴の一つであるDSI(Divertless Supersonic Inlet)と呼ばれるものです。これまでのインテークはF-15等に見られるとおり、境界層の悪影響を排除するため、境界層を分離する隔壁を設け、速度によって可変できるようにされていますが、これでは重量がかさむほか、ベーンは平面でレーダー波を大きく反射するためステルス性に悪影響をあたえます。DSIだと可動部分がなくとも境界層の影響を受けない他、大きなRCS(レーダー反射面積)源であるベーンに加え、これまたレーダー反射が大きいエンジンのコンプレッサーブレードを隠す効果も期待できるそうです。

 コクピット、エンジン、インテーク、インテークリップ、空中給油用プローブ取り付け部(プローブとその支柱は後で接着した方がよいでしょう) を胴体内側に接着したら、胴体を貼り合わせます。工程⑦で示されているコクピット後ろの「B40」は「B30」のまちがいです。この部品はキャノピーを閉じる場合にのみ、胴体側に接着します。開ける場合はキャノピーに接着します。
輪ゴムでがっちり固定しておきます
胴体は前回触れましたが、事後変形を修正しましたものの、上下ぴったりと言うわけにはいかず、通常のプラ用接着剤のほかに瞬間接着剤も併用してがっちり固定しました。

パテで埋めました。
固定している間に、各翼面やウェポンを組み立てました。各動翼、水平安定板、垂直安定板は、パーツ分割が中途はんぱな感じになっているので、パテなどでしっかり処理した方がよいでしょう。また左外側主翼の後縁部分(I19)にも湯回りが悪くパーツが欠けている部分がありますのでこちらもパテなどで埋めてください。また、外装にウェポンを搭載する方は主翼を組立いる前に隠し穴を開けるのを忘れないでください。

すき間埋めました。
 主翼は胴体の歪みの影響もあると思うのですが、胴体との取り付け部分に、すき間や段差が生じてしまいました。接着面に1mmプラ板を挟み接着、パテも使って修正しました。


 
 エンジンノズル回りのギザギザのステルス機っぽいパーツ(B13,14,23,24)は、ノズルの部分の曲線とのなじみがいまいちですが、折れやすいので気をつけてください。 サラサラタイプの接着剤で少しずつ柔らかくして、なじませるように接着しました。

F-35C得物一覧
ウェポンは、AMRAAM、AIM-9X、GBU-12/31/31B/38が付属しています。どれもよくできており、デカールも付属しています。ウェパン回りでは以下の部品番号に誤りがあります。
・GBU-31BのテイルフィンはC14とC15が逆になっています。
・内翼部分用のパイロン×4はF12+G12、F13+G11、F22+G9、F23+G10の組み合わせで組みたてて下さい。
・外翼のサイドワインダー用パイロンの取り付け基部は左翼:F27、右翼:F28です。
  AMRAAMやサイドワインダーはロケットモーター噴射口に穴を開けるだけでも雰囲気がよくなります。

小さいエッチング。なくさないように気をつけて。
最後にキャノピー周りを組み立てます。エッチングを多数使用するのですが、一部のパーツはクリアパーツに直接接着するので注意してください。私はウェーブの低白化タイプを使いました。

 実機写真をよく見てみるとキャノピー周辺のロック用ラッチは認められる機体とそうではない機体が存在します。これは実機とモックアップとの違いの他、展示時の保護のためコックピット周辺に保護用のゴム板みたいなものをおいているみたいですね。

 キャノピーは先端を機首上部に接着、計器板のバイザーから伸びるエッチングの支柱で支えますが、接着面積が足りないので、キャノピー先端付近にプラ板などベロをつけてあげるとよいと思います。

 ステルス機ははじめて形にしたのですが、意外とかっこいいですね。

 最新鋭機だからでしょうか、意外と資料に乏しい機体です。
日本語だとイカロス出版のムック本があります。今時の飛行機だし、ウェブの方が情報が転がっているのかもしれません。
JSFホームページ
F-35ライトニングⅡホームページ


2015年1月4日日曜日

ロッキード・マーティン F-35C 「ライトニングⅡ」その1

皆様、ご無沙汰してしまいました。
長いこと更新が滞ってしまい、申し訳ありません。

 本日は、発売されてから時間がたってしまいましたが、あまり模型雑誌などにも取り扱われていないキティホークのF-35Cについてお送りします。

本キットは、キティホーク社3作目のF-35シリーズで、実機でもC型は最新型となります。パーツのおおむね半分は既発売のA型及びB型と共通となっていますが、胴体、増積された各翼面、強化された脚などを中心に新規パーツとなっています。 また、デカールは海軍VFA-101配備機等4機分、エンジンやキャノピー周り等に使用するエッチングパーツが付属しています。
デカールとエッチングです。

 キティホークのF-35シリーズにおいては何れも共通なのですが、コクピットのほか、前/主脚、脚庫、エンジン、ウェポン・ベイなどを組んだ後、これらを下部胴体パーツに接着、その後上部胴体パーツを貼り合わせます。以前紹介したジャギュアのような「具」が少なく、胴体の形状が単純な機体の場合、胴体パーツにある程度の歪みがあっても、プラ材で梁を入れたり無理矢理に接着したりと、形状の修正を行わずとも何とかなるのですが、F-35は平べったい胴体に大きなウェポン・ベイやエンジン、インテークダクトも内蔵するため、上下胴体パーツの勘合は重要になります。
向かって右下側にねじれてます(´д`)

 離型剤を中性洗剤(マジックリン+お風呂の残り湯を使ってます)できれいに落としてから見てみると、私が入手したものは下部胴体が大きく歪んでしまっていました(事後変形というやつですね)。最初はねじれているだけかと思っていたのですが、仮組みしながら確認すると左右の主翼基部も曲がっているようです。プラは比較的柔らかいのですが、変形が大きいため、ドライヤーで修正しました。
 まず、修正すべき箇所をよく確認した後、平たい板にパーツを置き、テープで形を正しい方向に固定し、修正したい部分に少しずつ力を加えながらドライヤーでゆっくり暖めていきます。テープは耐熱性のあるものがよいでしょう(ドライヤーで熱している最中に剥がれてしまいます)。
ゆっくりやってください。

  何とかねじれは解消したものの、熱しすぎてしまったようで、機首付け根の細い部分がほんのわずかですが変形してしまいました。歪みを修正する方法としては、お湯を使う方法(ヤカンの湯気で熱したり、沸騰しない程度に熱めのお湯で手曲げ)もありますが、何れにせよ慎重に、くれぐれも自己責任にて行ってください。

 では、組み立てにはいります。
裏を削ってください。
まずはコクピットから。シートなどは大きな問題はありませんが、正面の計器板というかディスプレイ(B10)とフード(B9)はそのままですとB10の位置がシートに干渉して組み上がりません。B10及びB9の裏側を削ってB10の位置を後ろ(B9の奥寄り)に修正してください。また、メインディスプレイ下部のパネルもいったん切り離して接着し直したほうがよいです。

B9とB10の位置はこんな感じ

 
 コクピットの塗り分け指示が「シート黒、その他グレー」みたいな指示になっていますが、実機は黒とグレーで、要所に赤や黄色となっています。特に黒い部分は材質によりトーンに差がありますので、写真を参考塗り分けてみるとよいでしょう。
 説明書にはありませんがパイロットのフィギュアも付属していますのでお好みでどうぞ。

 コクピットの後は、前脚・前脚庫、ウェポン・ベイ、テイルフック・同収納部、主脚・主脚庫、エンジンを組み立てていきます。特に問題もなくスラスラと進みますが、キティホークのF-35シリーズは同社でも初期に開発されたシリーズで、ダボの大きさの不一致や接着する部分にディティールが干渉するといった箇所が見受けられます。すりあわせや仮組みをきちんと行ったください。
 ウェポン・ベイの工程③のところで円筒形のパーツ(右側:B33 左側:B34)を取り付けますが、説明書にあるようなダボはウェポン・ベイ側にはついていません。私はB33とB34の接着部を平らに削って接着しています。
具はとりあえず完成(^_^;
次回は胴体を貼り合わせて完成させたいと思います。